南海トラフとは?巨大地震が起こるメカニズムと想定被害

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地震に対する心構えや備えをするためには、どのようなメカニズムで地震が起きるのか、正しく理解しておくことが大切です。

この記事では、南海トラフについて、巨大地震が起きるメカニズムを解説します。

過去の南海トラフ巨大地震の被害状況や将来的な想定被害も併せて解説するので、ぜひ参考にしてください。

そもそも「南海トラフ」とは何のこと?

南海トラフとは、海洋プレートであるフィリピン海プレートが、大陸プレートのユーラシアプレートの下に南側から沈み込んでいる場所です。

駿河湾から日向灘沖までの海底に位置し、駿河湾付近は駿河トラフとも呼ばれています。

フィリピン海プレートは1年に数cmの速度で沈み込んでいて、その影響で100〜200年の周期で巨大地震が発生し、日本の広い地域で甚大な被害が起きています。

南海トラフ巨大地震が起きるメカニズム

南海トラフでは、なぜ繰り返し巨大地震が起きているのか、不思議に思っている方も多いのではないでしょうか。

ここからは巨大地震が起きるメカニズムや、南海トラフ被害が甚大になる半割れ現象を解説します。

プレートのひずみの跳ね返りが原因

前述したように、南海トラフにはプレートの境界があり、陸側のプレートの下に海側のプレートが1年に数cmの速さで沈み込んでいます。

このとき海側のプレートと固着した陸側のプレートが地下に引き込まれるため、ひずみが発生します。

時間の経過とともにひずみが蓄積され、限界が来るとプレートが跳ね返り、その跳ね上がりが巨大地震が起きる原因です。

この沈み込み・ひずみの蓄積・跳ね上がりが繰り返されるサイクルによって、南海トラフ巨大地震は何度も発生します。

被害が甚大になる「半割れ」現象

南海トラフで起こりうる地震には、広範囲に一度起こる「全割れ」と、複数の場所で連続して起きる「半割れ」があります。

南海トラフ巨大地震で強く警戒されているのは半割れです。

半割れ現象では、最初に東側もしくは西側で巨大地震が起きたあと、もう一方の側で再び巨大地震が発生します。

2回続けて大きな揺れや津波に襲われる地域が出るほか、被災地への支援の手が行き届かなくなるなど、さまざまな問題が懸念されています。

南海トラフ巨大地震の規模と想定被害

実際に南海トラフ巨大地震が発生した場合、どれほどの被害が起きるのでしょうか?

ここからは南海トラフ巨大地震の規模と併せて、建物の倒壊や死者数、ライフラインの寸断など、想定される被害を解説します。

想定される地震の規模

内閣府の中央防災会議では、南海トラフ巨大地震が発生した場合の地震の規模をマグニチュード9.0前後と想定しています。

震度6強が想定される地域は21府県239市町村、震度7が想定される地域は10県151市町村です。

この地域で直近発生した巨大地震には、1944年の昭和東南海地震と1946年の昭和南海地震が挙げられます。

このとき、三重県では震度5〜6の強い揺れと沿岸部で6〜9mの津波による大きな被害が出ました。

参考:内閣府 中央防災会議  南海トラフ地震防災対策推進地域及び南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域の指定について 資料1-5 

想定される地震の被害

朝日新聞社が掲載している南海トラフ地震の被害想定によると、最悪の場合全壊・焼失建物は約238万6千棟にも上るとされています。

また、巨大地震発生で想定される怪我人は約63万人、死者・行方不明者数は32万3千人です。

さらに、内閣府の中央防災会議では、停電軒数約2,410〜2,710万軒、ガス供給停止戸数約55〜180万戸のライフライン被害を想定しています。

電気やガス以外にも、上下水道や通信で甚大な被害が予想されています。

参考:朝日新聞社 南海トラフ地震の被害想定

参考:内閣府 中央防災会議  南海トラフ地震防災対策推進地域及び南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域の指定について 資料1-5 

巨大地震が起きると津波も大きくなる

南海トラフ巨大地震が発生した場合、大きな津波が発生し、被害がさらに大きくなる可能性があります。

ここからは南海トラフ巨大地震によって津波の被害を受ける範囲と高さ、到達時間を解説します。

津波が到達する時間

内閣府による南海トラフの巨大地震モデル検討会では、南海トラフ巨大地震発生時の都道府県ごとに津波が到達する時間を以下のように想定しています。

静岡県2分、和歌山県3分、三重県4分、高知県5分、徳島県7分と、これらの地域では地震発生からわずか10分以内に津波の第1波が到着する見込みです。

これらの地域で大きな揺れを感じた際や津波警報が発表された際には、津波を目撃していなくても速やかに高い場所など安全な場所へ避難する必要があります。

参考:内閣府 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ 報道発表資料1-5 

津波の高さ

津波は第1波よりも2波、3波のほうが高くなる場合があります。

南海トラフ巨大地震による津波で想定される津波の高さは、太平洋岸の広い地域で10〜20m以上です。

震源地に近い地域以外の千葉県や神奈川県でも、沿岸部では5m以上の高さの津波が押し寄せる可能性があると予想されています。

津波はわずか1mでも人が足をすくわれる威力があるため、どの地域においてもできるだけ早く避難することが大切です。

参考:内閣府 南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ 報道発表資料1-5 

津波の被害を受ける範囲と被害の大きさ

地震調査委員会によると、南海トラフ巨大地震で3m以上の高さの津波に襲われる可能性が高いのは、四国・近畿・東海・九州地方の71市区町村です。

5m以上の高さの津波被害を受ける可能性があるのは四国・近畿・東海地方の29市町村で、確率は26%とされています。

また。10m以上の津波に襲われる可能性があるのは、高知県や三重県の21市町で6%〜26%の確率です。

死者や全壊建物の想定数も各地で高くなっており、大きな被害が発生するといわれています。

まとめ

南海トラフとは駿河湾から日向灘沖までの海底に位置し、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに1年に数cmの早さで沈み込んでいる場所です。

ひずみの跳ね上がりが原因で南海トラフ巨大地震が100〜200年の周期で発生しています。

津波による被害も広範囲で予想されるため、最大限の注意が必要です。

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